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産業廃棄物のリサイクルがなぜ必要なのか?メリットやリサイクル法について解説
2024年02月12日
廃棄物の処理といえば、焼却か埋立というのが一般的でした。
しかし、環境意識の高まりや資源の有効活用という観点から国は産業廃棄物(以下、産廃)のリサイクルを積極的に後押ししてきました。
今回はリサイクルが必要な理由や企業が取り組むメリット、3つのリサイクル方法、リサイクルされる産廃の例などを紹介します。
産業廃棄物とは何か
廃棄物とは「占有者が自ら利用し、又は他人に有償で売却することができないために不要になつた物」のことで、簡単に言えば誰も使用しない汚物や不要物のことです。
出典:環境省「1 廃棄物の定義について」
廃棄物は一般廃棄物と産廃に区分され、一般廃棄物には家庭系一般廃棄物と会社などから出る事業系一般廃棄物があります。
一方、産廃は事業活動で発生した廃棄物のうち、法令で定められた20種類の廃棄物のことをさします。
産業廃棄物のリサイクルが必要な理由
従来は「ゴミ」として焼却処理や埋立処理をしていた産廃をリサイクルしなければならない理由は3つあります。
それぞれの内容を見てみましょう。
環境への悪影響を避けるため
産廃の処理を適切に行わないと、環境問題を引き起こしてしまいます。
その代表が公害です。
1960年代の日本では企業による不適切な廃棄物の処理が原因で公害が引き起こされていました。
公害の代表である水俣病やイタイイタイ病、四日市ぜんそくは小学校の社会の教科書でも取り扱っています。
水俣病は水銀、イタイイタイ病はカドミウム、四日市ぜんそくは亜硫酸ガスがそれぞれ原因ですが、これらの物質を適切に処理しないことで多くの人が亡くなったり病気で苦しんでいます。
産廃の量を少しでも減らすことで、環境への影響を最小限にとどめる努力をしなければなりません。
資源を有効活用するため
資源の有効活用という面でも産廃のリサイクルは必要です。
ご存知のとおり、日本は多くの資源を輸入に頼っている国です。
しかし、世界情勢が不安定化すると安定的に資源を輸入できなくなるかもしれません。
産廃には多くの有用な資源が含まれているため、それらを取り出して再資源化するリサイクルは非常に重要な産業といえるでしょう。
埋立処分場を圧迫しないため
産廃を処分する方法の一つに埋め立てがありますが、どこでも埋立可能というわけではありません。
自治体が許可した「埋立処分場」でのみ、産廃の埋め立て処分が可能です。
もし、勝手に埋立を行うと自分の土地であれ、他人の土地であれ不法投棄とみなされます。
しかし、埋立処分場も無限に産廃を捨てられるわけではないため、少しでも廃棄量を減らすよう、リサイクルで量を減らす必要があります。
リサイクルに取り組む企業側のメリット
企業が産廃のリサイクルに取り組むメリットについて紹介します。
処理費用の削減
1つ目のメリットは産廃処理費用の削減です。
事業所内で発生した廃プラスチックをごみとして捨ててしまえば産廃となり処理コストがかかりますが、リサイクル業者に引き取ってもらえれば衣類やカーペットの原料などに再利用でき、処理コストを削減できます。
木くずであれば燃料として使用したり、紙やチップの原料として再利用できます。
金属ごみは銅やアルミニウム、鉄などの金属資源にすることも可能です。
ごみではなくリサイクルとして業者に引き取ってもらうことで、ごみの削減と処理費用の削減を同時に達成できます。
企業イメージの向上
2つ目のメリットは企業イメージの向上です。
現在、企業は社会的責任(CSR)を求められています。
産廃の処理に関しても、企業がどのように取り組んでいるか注目されているのです。
産廃リサイクルに関する自社の取り組みをアピールすることで企業イメージを向上させ、優秀な人材の採用や融資、取引の際の印象が良くなるかもしれません。
リサイクルの3つの方法
リサイクルには大きく分けて3つの方法があります。
それぞれの方法を見てみましょう。
マテリアルリサイクル
マテリアルリサイクルとは、廃棄物を新たな製品の原料として再利用する方法です。
具体的にはペットボトルを回収して再びペットボトルを生産する際の原料にすることや、古紙を再生することなどをさします。
ケミカルリサイクル
廃棄物を化学的に合成して他の物質に作り替え、他の製品の原料にすることをケミカルリサイクルといいます。
たとえば、廃プラスチックを原料やモノマーといった物質に戻して再利用したり、高炉で還元剤として使用したりといった用途が考えられます。
サーマルリサイクル
サーマルリサイクルとは廃棄物を燃やしてエネルギー源として活用する方法です。
サーマルリサイクルは化石燃料の使用削減や埋め立て処分される廃棄物の削減に役立っています。
まとめ
今回は産業廃棄物のリサイクルに焦点をあてました。
産廃は事業活動するうえで必ず出てしまうものであり、ルールに従って処理しなければなりません。
しかし、産廃の量が多くなりすぎると処理コストがかさんだり、処理施設が満杯になるといった問題が発生します。
最もよいのは発生した産廃をリサイクルして産廃の量を減らすことです。
環境保護の観点からみても、省資源化という観点からみても産廃のリサイクルをより一層進めることが重要なのです。
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