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大型車両のドライバー不足はなぜ起きる?原因や対策を解説 

2024年02月18日

大型車両のドライバー不足は現代の社会問題でもあり、深刻な状況にあります。

2024年4月には働き方改革に関する法律が施行されるため、物流業界にさらなる大きな追い打ちをかけることでしょう。

この慢性的な人手不足を解決できる方法はないものでしょうか。

そこでこの記事では、大型車両のドライバーの人手不足の原因や解決するための対策などについて解説します。

物流業に携わる方はぜひご参考にしてください。

大型車両のドライバー不足はなぜ起きる?原因や対策を解説 

大型ドライバーの動向

現在、物流業界で活躍する大型車両のドライバー数は年々減ってきており、現在はおおむね84万人と言われています。

しかし、最近はインターネットショッピングの利用者がますます増えてきたため、ドライバー不足はさらに進んでいくものと想定されています。

ドライバーの需要は増えているのに、求職者は少なくなっていく一方です。

また、ドライバーの高齢化が進み、ドライバー全体の約40パーセントが50代以上という実態があります。

大型ドライバー不足の原因

大型ドライバーが不足するいくつかの原因を考えてみましょう。

劣悪な労働条件

全産業平均よりも大型ドライバーの労働時間は月平均36時間長く432時間となっています。

しかし、一方では全産業の平均よりも大型ドライバーの年間給与は約5%低くなっているようです。

低賃金でしかも長時間労働になりがちな労働条件の悪さが大型ドライバーが不人気の原因の1つと考えられます。

大型ドライバーの高齢化

55歳から64歳までの大型ドライバー数は1,235万人、65歳以上の大型ドライバーとなると927万人です。

一方、25歳から34歳までの大型ドライバーは1,151万人で、55歳以上の労働者の人数の約2分の1となっています。

運転技術や道を熟知しているなど、流通業界では高い技術や経験が求められるため、経験豊富なベテランのドライバーに頼らざるを得ないようです。

女性ドライバーの不足

いまだ男性社会であるのがドライバー業界の実態です。

東京都の発表によると、男性ドライバーの割合79パーセントに対して、女性ドライバーの割合は21パーセントとなっています。

女性労働者の比率が低いのは以下の理由が考えられます。

・再雇用や育児休暇制度が未整備

・重たい荷物の運搬や長時間労働が女性にとって大きな負担となる

・更衣室やトイレといった女性専用の設備が未整備

宅配件数の増加

宅配の需要が増加しており、2021年まで7年間連続で宅配件数は過去最高記録を更新しています。

これには、昨今の感染症流行も影響しているようです。

くわえて、当日配送・時間指定といった新サービスも、ドライバーの大きな負担となっています。

運転免許の改正

2017年に運転免許が改正され、普通免許で運転できる車両が限られるようになりました。

準中型免許以上を取得していないとドライバーとしての仕事が限られてしまいます。

新型コロナの影響

ただでさえ人手不足なのに加えて、新型コロナウイルスの感染流行も大きな要因となっているようです。

職場で1人の感染者が確認されれば、同じ職場にいる従業員のほとんどが濃厚接触者とされ、出社ができなくなってしまいます。

2024年問題の影響

「2024年問題」が物流業界の大きな課題となっています。

「2024年問題」は、ドライバーにどのような影響を与えるのでしょうか。

2024年4月1日より、働き方改革関連法案によって労働時間の上限が定められます。

時間外労働の上限

・物流業界の場合、時間外労働の上限は年間960時間まで。

(物流業界以外では時間外労働の上限規制は720時間)

物流業界も他の業界にあわせて、さらに時間外労働が減らされるものと思われます。

労働時間の短縮

・【拘束時間】:3,300時間(年間)、284時間をオーバーしない(1カ月)、15時間まで(1日)

・【運転時間】:2日平均で1日・9時間以内、2週間平均で1週間・44時間をオーバーしない

・【連続運転時間】:4時間まで

・【休息期間】:継続8時間以上(原則)

・【分割休息時間】:4時間以上(1回につき)、合計10時間以上

大型ドライバー不足の対策

ドライバー不足を解消するためにも何らかの対策が必要です。

効果的と思われる対策にはどのようなものがあるのでしょうか。

最新技術の導入

AIやloTなどの最新のDX技術を活用すれば、少人数でも効率的に業務を行うことができます。

労働条件の改善

「低賃金」や「長時間労働」をなくす取り組みが必要です。

若年層が安心して長期的に働ける環境を築かなければなりません。

個人配送業者の活用

個人配送業者を活用すれば、繁忙期などに一時的にドライバーの補充が可能です。

ドライバーが空き時間を利用して配送を行う、「配送マッチングサービス」も活用できるでしょう。

女性が働きやすい職場環境の整備

女性専用の更衣室やトイレの整備といった、女性が働きやすい職場環境を整備する必要があります。

また、女性用の荷物やコースを用意するなど、女性と男性で仕事の内容を区別するといった工夫も必要でしょう。

まとめ

2023年問題を迎え、大型ドライバーの不足は今後ますます加速するものと思われます。

大型ドライバー不測の要因は、給与面や労働時間、女性進出などにおいて他の業種に大きく遅れている点にあります。

大型ドライバーの不足といった悪循環を解消するには、早急な労働環境の整備や待遇の見直し、女性の活用といったものが求められています。

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