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産業廃棄物を扱うために必要な資格は?資格の種類や取得方法・費用などを解説
2024年02月23日
「産業廃棄物」は、通常のゴミとは違い、量が膨大で、中には環境や人体に悪影響を及ぼすものもあります。
そのため、産業廃棄物を取り扱う事業者は資格を持つ責任者の設置をしなければなりませんし、都道府県知事などの許可を受けることも必要です。
この記事では、産業廃棄物の取扱いに必要な資格の種類や、取得方法、必要な費用などについて解説します。
産業廃棄物業務にたずさわる方はぜひ参考にしてください。
産業廃棄物とは
産業廃棄物とは、廃棄物のうち廃棄物処理法で定められた20種類の廃棄物のことです。
例えば、「金属くず」や焼却炉などの「燃えがら」、鉱物性油などの「廃油」、などがあります。
産業廃棄物の中でも、爆発性・毒性・感染性があり、人々の健康や生活を脅かす恐れのあるものを「特別管理産業廃棄物」と言います。
責任者に必要な資格
産業廃棄物を取り扱う事業者は以下の2つの国家資格を持つ責任者の設置が必要です。
2つの資格を比較してみましょう。
必要な資格名 | 特別管理産業廃棄物管理責任者 | 廃棄物処理施設技術管理者 |
対象事業者 | 排出事業者 | 処理業者 |
責任者の設置を怠った場合の罰則 | 30万円以下の罰金 | 30万円以下の罰金 |
目的 | ・処理計画の立案・排出状況の確認 | ・施設の維持・管理 ・他の職員の監督 |
取得要件の例 | ・看護師 ・医師 ・保健師 ・薬剤師などの医療資格を持つ ・高等専門学校や大学で医学や薬学などの課程を修了 ・日本産業廃棄物処理振興センター主催の講習会を修了 ・試験に合格している ・環境衛生指導員として、2年以上の実務経験がある など | ・特定部門の技術士、環境衛生指導員として2年以上の実務経験がある ・大学の農学 ・理学 ・工学 ・薬学課程で、化学や衛生工学を修め、2年以上の実務経験がある ・日本環境衛生センターの講習会を修了 ・試験に合格 ・20歳以上であること など |
費用 | 講習会の受講料:1万3,800円 | ・施設に関する講習全コースの受講料合計:22万4,400円 ・管理課程講習の受講料:6万6,000円均一 |
事業者として必要な都道府県知事等の免許
都道府県知事などから受ける事業者としての免許は、事業内容に従って以下の4つに区分されます。
それぞれを比較してみましょう。
免許名 | 産業廃棄物収集運搬業 | 産業廃棄物処分業 | 特別管理産業廃棄物収集運搬業 | 特別管理産業廃棄物処分業 |
業務内容 | 産業廃棄物の収集・運搬を行う | 産業廃棄物の処分を行う | 特別管理産業廃棄物の収集運搬を行う | 特別管理産業廃棄物の廃棄・処分を行う |
免許を受けない場合の罰則 | 5年以下の懲役か1,000万円以下の罰金、またはその両方 | 5年以下の懲役か1,000万円以下の罰金、またはその両方 | 5年以下の懲役か1,000万円以下の罰金 | 5年以下の懲役か1,000万円以下の罰金、またはその両方 |
欠格要件の例 | ・廃棄物処理法等の違反があり、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年たっていない ・施設がないなど、事業を行える状態でない | ・廃棄物処理法等の違反があり、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年たっていない ・施設がないなど、事業を行える状態でない | ・廃棄物処理法等の違反があり、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年たっていない ・施設がないなど、事業を行える状態でない | ・廃棄物処理法等の法律違反があり、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年たっていなし ・施設がないなど、事業を行える状態でない |
費用 | ・講習の受講料:4万6,600円 ・新規申請料は8万1,000円 | ・講習の受講料4万8,700円です。 ・新規申請料10万円 | ・講習の受講料:4万6,600円 ・講習を修了した後、許可申請可 ・新規申請料は8万1,000円 | 費用・講習の受講料は6万8,800円 ・新規申請料は10万円で、計画書などの書類の提出が必要 |
自身が排出事業者である場合の注意点
自身が排出事業者の場合は、2つの国家資格だけ注意すればよいという訳ではない点に注意しなければなりません。
排出事業者には、排出した産業廃棄物は自分で処理をしなければならない「排出者責任」があるからです。
この「排出者責任」は、他の事業者に産業廃棄物の処理を委託した場合も無くなることはありません。
委託先が運搬業者であった場合、その運搬業者が不法投棄などを行ったとします。
そうすると、当然その運搬業者は処罰されますが、同時に、処理を委託した排出事業者もいっしょに処罰されることになります。
つまり、排出事業者は、2つの国家資格に加えて、委託先の業者としての免許が必要な4つの業務についても、その内容をよく理解したうえで、しっかり監督をしなければなりません。
この点に十分注意をしましょう。
まとめ
この記事では、産業廃棄物を取り扱うために必要な資格や許可の種類、取得方法、必要な費用などについて解説してきました。
産業廃棄物は不適切な処理がされると、社会や人々の生活に深刻な危害をおよぼします。
産業廃棄物を取り扱う事業者は、法令を遵守して、必要な資格を持つ責任者の設置や、都道府県知事などの許可を受けることを厳守しなければなりません。
産業廃棄物に関する業務の拡大を目指す経営者の方や、キャリアアップを目指す社員の方は、資格要件や許可要件をしっかりと把握した上で、必要な資格の取得をめざしましょう。
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